
夜更けの赤坂で、女はいつも考える。大切なものは、いつも簡単に手からすり抜けてしまう。私はいつも同じところで立ち止まり、苦しみ、前を向こうとして、またつまずく。29歳、テレビ局の広報室で働く森山ハナは、ひと回り年上のプロデューサー・井上と出会う。井上に再度告白されて悩むハナに、親友の葵は「自分勝手」と責め立てる。―井上さんと一緒にいた女の人、この人じゃない?葵から送られてきたその女性の画像は間違いなく、あの夜井上さんのマンションの前で見た女性の顔 だ 全文
東京カレンダー 07月21日 05時08分