
夜更けの赤坂で、女はいつも考える。大切なものは、いつも簡単に手からすり抜けてしまう。私はいつも同じところで立ち止まり、苦しみ、前を向こうとして、またつまずく。29歳、テレビ局の広報室で働く森山ハナは、ひと回り年上のプロデューサー・井上と出会う。井上が女性と歩いている姿を見て荒れるハナは、男友達と飲んで気分を晴らそうとする。高校時代からの男友達と飲んだ帰り道。ハナは、渋谷から歩いて代々木公園の自宅を目指していた。夏の夜の散歩は、とても気持ちが良い。― 全文
東京カレンダー 07月07日 05時10分